嫌な目覚め
「嫌な目覚め 」
洗面所で、ものすごい鮮やかな色の血を吐いた夢。
最初は、唾液などに混じってぽつぽつぽつと印象的な赤色が洗面所の流しの中に点のように散らばるだけだった。
やがて、そのぽつぽつが、ぽつぽつでなくなり、どどどっと赤い塊になっていた。
流し一面に広がる大量の赤を眺めながら
ぼんやりと、私はもうあかんのかなあ?
なんて思っていた。
夢の中の私の主治医は、中学校の時に理科の先生だった。あだ名は「チャボ」
母に症状を相談したら、母は主治医の人に訊いてみるといった。
場面が変わり、職員室のようなところに白衣姿のチャボが
すわっていた。母はなぜか手に洗面器を持っていて
「あの、お訊きしたいのですが、この洗面器は先生のですか?」
とチャボに訊ねていた。
するとチャボは
「ちがう。ちがう。私のはこれ」
と机の下から洗面器を出して母に見せていた。チャボは、誰かと電話中だった。
いつのまにか私は、たくさんのカルテが収められている書棚の上に椅子を置いて座っていた。めまいがしたので助けを求めていた。
事務長さんが慌てて私を降ろそうとしてくれたけど、近くにいた看護婦さんがモタモタしているうちに、私はバランスを崩して書棚から椅子ごと落ちてしまい、そのはずみで倒れた書棚の下敷きになってしまった。
無数のカルテが、バサバサと倒れた私の上に落ちてきた。
無数のカルテの重みを感じた。
ありとあらゆる病状がが記された、ありとあらゆる患者さんたちのカルテの重みを。
嫌な目覚めだった。